業種別スチームトラップ選定

食品機器のトラップ選定

対象機器:ニーダー、蒸気釜

【解説】 食品産業では、蒸す、煮る、混ぜるなどの工程を必要とし、食品機器では、蒸気を利用した機器が多く使用されています。
ニーダーや二重釜(ジャケット釜)もそのような機器の一つです。
これらの機器は通常バッチ運転で行われるため、作業終了後にはエアが混入し、運転時には、機器の能力を充分に発揮させるためにこのエアを確実に排出する必要があります。
機器にはエアベントを必ず設けます。


【トラップ選定】 復水回収を行う場合は、メカニカル式(バケット式、フロート式)やダイヤフラム式の選定を行い、復水回収をしない場合はディスク式も選定の対象となります。
なお、バイパスブロー弁機能を搭載したモデルは配管施工コストを大幅に低減します。

ニーダー

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蒸気は、ストレーナ、圧力計、釜下部の配管を経由し、釜に入ります。
また、復水も釜の下部から抜けトラップへと流れます。
釜内の空気が抜けない場合、本来釜内を充満すべき蒸気はショートパスを起こし、トラップに流れ、充分に加熱されません。
その為、エアベントを設置し、機器の能力を充分に発揮させる必要があります。

被加熱物の全容量(ℓ) 100~1000
蒸気使用量(目安)(kg/h) 50~170
選定型式 フロート式
G20N-8
ダイヤフラム式
(バイパスブロー弁機能付)
DV1-10H
ディスク式
(バイパスブロー弁機能付)
SV-N-2
取付 水平配管
垂直配管
作動特性 連続作動
間欠作動
特徴 省エネ性 ☆☆☆ ☆☆☆
復水回収対応 ☆☆☆ ☆☆☆
イニシャルコスト ☆☆☆ ☆☆☆

二重釜(ジャケット釜)

復水排出口が釜の下にある場合。

【固定式】

Jacketed_kettle_fixed

【回転式】

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蒸気は釜の側面から入り、釜を加熱した後、復水になり、釜の下部からトラップへ抜けていきます。
二重釜を均圧に加熱するためにはエアベントを設置し、通期初期のエアは迅速に抜く必要があります。

被加熱物の全容量(ℓ) 100~1000
蒸気使用量(目安)(kg/h) 50~200
選定型式 フロート式
G20N-8
ダイヤフラム式
(バイパスブロー弁機能付)
DV1-10H
ディスク式
(バイパスブロー弁機能付)
SV-N-2
取付 水平配管
垂直配管
作動特性 連続作動
間欠作動
特徴 省エネ性 ☆☆☆ ☆☆☆
復水回収対応 ☆☆☆ ☆☆☆
イニシャルコスト ☆☆☆ ☆☆☆

サイフォン式二重釜(ジャケット釜)

復水排出口が釜の下ではなく横から出ている場合。

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回転式二重釜では一部サイフォン管を用いた二重釜もあります。
蒸気は釜の側面から入り、釜を加熱した後、復水になり、釜の底に溜まり、サイフォン管からトラップに導かれます。
サイフォン管を用いた機器では、一時的にスチームロッキングが発生するため、温度でエアベントの開閉を行うフロート式よりも、バケットにエアベント孔(オリフィス)を設けたバケット式が適しています。
こういった機器にはロッキング対策を最優先に選定を行います。

被加熱物の全容量(ℓ) 100~1000
蒸気使用量(目安)(kg/h) 50~200
選定型式 バケット式
ES5-7
バケット式
ES8N-8
ディスク式
(バイパスブロー弁機能付)
SV-N-2
取付 水平配管
垂直配管
作動特性 連続作動
間欠作動
特徴 省エネ性 ☆☆☆ ☆☆☆
復水回収対応 ☆☆☆ ☆☆☆
イニシャルコスト ☆☆ ☆☆ ☆☆☆
 

【エアベントについて】蒸気用エアベントは蒸気配管・機器装置の立ち上がり時間を短縮する装置です。
装置内に非凝縮性ガスのエアを迅速に排出し、立上り時間を短縮することが可能です。
ニーダーや二重釜の場合、コンパクトなAW2を推奨します。
蒸気輸送管にはAT9Nを推奨します。
また、本体材質ステンレスをご希望のお客様は、弊社までお問い合わせください。

被加熱物の全容量(ℓ) 100~1000
蒸気使用量(目安)(kg/h) 50~170
選定型式 エアベント
AW2
エアベント
AT9N
取付 水平配管  
垂直配管  
アングル配管  
仕様 最高使用圧力 0.5MPa 1.6MPa
最高使用温度 150℃ 350℃
本体材質 ブラス(C3771) 炭素鋼(A105)