蒸気入門

  1. 蒸気の有効利用とスチームトラップ

     
    1. 熱損失の低減

 

熱損失とは、蒸気配管や装置からの放熱のように、使用されることなく無駄にシステム外へ放出される、文字通り、熱エネルギーの損失のことです。その主な要因は、蒸気システムの運転状況によって違ってきます。

 

 

  1. 運転開始時、及び停止時

     

    蒸気システムの運転を開始すると、通常運転状態に達するまでの間、蒸気の熱は蒸気配管や装置等を暖めることに消費されます。停止頻度の小さいシステムでは問題になりませんが、毎週あるいは日ごとに起動と停止を行うなど、停止頻度の高いシステムの場合は、それによる熱損失を無視できません。保温処理を施して配管や装置等の冷却を抑えたり、排出されたりする復水の再利用を図るなどの工夫が必要となります。

  2. 通常運転時

 

 

通常運転に達した後は、蒸気配管や熱交換器の外表面からの放熱と、排出復水と共に流出する熱が主な損失となります。要求される負荷に対して装置の容量が大きいと、放熱による割合が大きくなります。