発明大賞とは、発明や研究を通じて産業の発展・国民の生活向上に寄与した中堅・中小企業、個人を表彰するものです。
中でも「発明大賞 日本発明振興協会会長賞」は審査の結果、特に優秀なものに贈呈されます。
今回、当社のスケール除去機構付き温調トラップは、通気中のメンテナンスを可能にしたことや、それに伴うトラップ交換率の低減等を評価いただき、受賞に至りました。
発明大賞受賞実績 | 公益財団法人日本発明振興協会 発明大賞事業
スケール除去機構とは
本体下部のハンドルを手で回すことで、本体内に堆積したスケールを外部へ排出させる(清掃する)機構です。スケールが溜まったままだと確実な閉弁が出来ず、蒸気漏れを起こす可能性が高くなるため、定期的な清掃が必要となります。
当社の「SRシリーズ」の除去機構は、この清掃を通気中でも実施できるように開発したものです。
スケール除去機構のメリットとは
通気中のスケール除去を可能にした
作業時間10分の1に
「SRシリーズ」の最大の特長は、通気中に清掃作業を行なえる点です。従来の機構では、清掃作業中に蒸気が吹き出し危険なため、一度通気を止めてから作業をするほかありませんでした。「SRシリーズ」はその課題を解消し、通気中の作業を可能にしたため、従来30分ほどかかっていた作業時間がおよそ3分程度となり、メンテナンスコストの大幅削減に成功いたしました。
消耗品であるスチームトラップの
交換頻度を下げられる
従来、トラップの詰まりや蒸気漏れは故障と判断し、交換することが当たり前でした。「SRシリーズ」では、故障と思われたトラップもスケール除去を試みることで、復旧し再度使用できるようになることもあります。設置から4年間の間で交換が発生した台数を比べてみると、従来の2割以下にまで下がっており、廃棄ロスの削減にも効果があります。
実際、某石油精製工場では、4年間の交換コストが約1,600万円から約120万円までに削減できた実績もございます。
温調トラップの役割とは
温調トラップは、スチームトレースとして使用されることがほとんどです。石油精製工場などでは、管内の油の流動性を高めるため、油送管の周りに蒸気管を通し、蒸気の熱エネルギーで間接的に油送管を昇温させています(スチームトレース)。油だけでなく様々な被加熱物を昇温させるスチームトレースですが、物によっては温度の細かい制限があります。そこで、復水の温度調節が可能な温調トラップが採用されています。
温調トラップの製品一覧はコチラ
・温調式 | TBシリーズ
SRシリーズ開発の経緯
- 課題
- 温調トラップは作動特性上、ドレンの排出スピードが非常にゆるやかであるため、スケールが付着しやすく閉塞しやすいものです。従来はスケール除去をするためにトラップの分解を実施しており、非常に労力と時間を要していました。そこで、分解清掃せずとも外部から清掃する機能を開発しましたが、通気中の作業が出来ないという課題が残り実用化されなかったため、「通気中に作業が出来る装置」の開発に着手いたしました。
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開発者の声
- 通気中に作業するということは、構成によっては清掃部分から蒸気が漏れ出てしまい危険を伴います。
- お客様に怪我をさせるわけにはいかないため、安全面にはかなり気を配りました。
TB-SRのラインアップ・実績
「SRシリーズ」について、温調トラップについて、また蒸気システム全体の省エネなどについてもご相談を承ります。
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